山本呉服店

琉球王朝時代の文化が詰まった織物、沖縄の伝統工芸品『琉球花織』とは?

〈琉球花織って何?〉

“琉球”と言えば、色鮮やかで独特な色遣いが印象的な『琉球紅型』を思い浮かべるかもしれません。
『琉球紅型』が沖縄の染め物代表なら、『琉球花織』は織物代表。沖縄の伝統工芸品のツートップ。

花織は14世紀大陸から伝わり、琉球の豊かな自然と独自の文化に育まれた織り方で、産地によって織り方やデザインが多種多様にあります。

琉球花織は、一時は戦争により技術が途絶え壊滅的な状態でしたが、今では職人さんの工夫や努力によって復興、若い職人さんたちのセンスによって、現代に合う色遣いで独特な織物が作られています。

しかしこの10年で生産量が1/10に激減してしまった、とっても貴重な織物です。

沖縄県は個性的な織物が盛ん。花織は沖縄県各地で作られています。

 

〈琉球王朝の織物の歴史〉

琉球王国は450年もの長い間、大陸や東南アジア各国との交易を中心に栄えました。
特に政治の中心・首里では身分により衣服が区別され、国王や王妃、王族しか着用を認められない特別な織物(糸染めも含む)が織られていました。
花織だけを織る専属の職人を囲い込んで作らせ、高度な技術が発展しました。
当時の文 献や発掘調査により、戦後何十年も後になってやっと解明できた技法もあります。
本州では真似できない独特な個性を持つ織り方が花織です。

※人間国宝 宮平初子さん
首里織の作家で、沖縄の伝統工芸の発展に尽力した県内女性初の人間国宝。
1998年 「首里の織物」重要無形文化財保持者(人間国宝)
2000年 勲4等宝冠章受章
2022年 永眠

 

首里城から発掘された生地から「首里織」を復活させた、人間国宝 宮平初子さん

人間国宝 宮平初子さんの作品「黄地御殿柄一玉ムルドゥッチリ衣装」(国所蔵・文化庁保管)

 

 

〈特徴〉

「花」とは”柄”のこと。柄の色糸を刺繍のように立体的に浮かせるのが花織の特徴です。
下の織り方を1種類、または2〜3種類組み合わせて1本の帯を作ります。

 

 

〈すべて手機で手織り〉

古くからある織り方なので機は小さくてシンプル な構造ですが、複雑な織り方になると職人さんが 図案を見ながら手と足で綜絖を上下させます。
熟 練した技が必要で味がある織り方ができます。
量 産できずとても希少!手仕事なので1日数10cm しか進みません。
1反(着物は13m)織るのに何日もかかります。

 

 

〈願いが込められた柄〉

「花」の形には意味があります。

*銭花(じんばな)
お金をかたどった模様。裕福になりますようにとの願い。

*扇花(おーじはな)
末広がりの扇の形。子孫繁栄の願い。

*風車花(かじまやーばな)
97歳になると風車を配る習慣から、長寿の願い。

 

 

〈主な技法〉

*手花織(てぃーばなおり)

柄の部分のタテ糸を手ですくい取って、刺繍のように「花」を手で織り込んでいく技法。

 

 

*首里花織(しゅり はなおり)

琉球王朝の首都・首里で織られていた織り方。上流階級の衣装として発展した。
地糸を浮かせて「花」を作るので、他の織り方のように裏に糸が渡らないのが特徴。

 

 

*読谷山花織(ゆんたんざん はなおり)

沖縄本島中部の読谷村で作られる花織。
地糸とは別の「花糸(柄になるヨコ糸)」で「花」を作るので、裏を見ると横向きに花糸が渡っている。

 

 

*知花花織(ちばな はなおり)

琉球王朝時代、伝統行事などの晴れ着として発展、戦後に衰退したが、近年復興された。
読谷がよこ向きに花糸を入れるのに対し、たて向きに花糸を入れるので、たての花色が同じになるのが特徴。

 

 

 

〈花織の証紙〉

花織は沖縄の伝統的工芸品です。国や県の検査機関、各地域の組合の登録証があります。

左から

*沖縄県の証紙:沖縄県織物検査規格に合格した証紙。
*伝統証紙(通称 伝産マーク):経済産業大臣が指定した伝統的工芸品に付けられる。
*産地の組合証紙:作られた地域の花織事業協同組合が発行する証紙。写真は南風原で作られた花織。
*沖縄県織物検査済の証紙:沖縄県伝統工芸振興条例に基づき検査、合格した織物に付けられる。

まれに証紙がないものがありますが、歴史と実力がある名門工房の作品には証紙がないこともあります。

 

 

〈控えめな本物志向のあなたに 花織の名古屋帯〉

手機ならではの温かみのある風合いが、締める人の内面まで表すような品の良さを感じさせる花織。

細かな配色は織り子さんに任されているそう。洗練された配色と「花」の組み合わせに織り子さんのセンスが光ります。

 

花織の名古屋帯はシンプルな幾何学模様が合わせる着物を選ばず、コーディネートの幅が広がります。

・大島紬
・結城紬
・久米島紬
・琉球絣

など、味わいのある風合いが魅力の紬に合わせると、いつもの紬も新しい感覚に。

真南風(まふえ)花織+白大島紬

 

読谷山花織+結城紬

 

しゃんとした着心地のお召しの着物や、絞りの着物、小紋はシンプルな柄も華やか小紋にも。

・お召し
・杢目絞り(藤娘きぬたや )
・小紋

知花花織+小紋

 

同窓会、女子会、友達とランチ会など、たまには気分を変えて着物のおしゃれを楽しみたいな♪という時。
歌舞伎など観劇やコンサートなど品よく装いたい時などに。

かわいらしさもありつつ、落ち着きもあるコーディネートにぴったりです。

 

〈織り人の想いが詰まった一点物〉

大らかで細かいことは気にしないのが沖縄らしくていい所です。
図案はあるものの細かい部分の色遣いや間隔は職人さんのセンスに任されています。
「今日はピンクの差し色がいいなぁ♪」なんて気分で織るから同じものができてきません。
職人さんが心を込めて一手間一手間大切に織り上げた、帯や着物は唯一無二。

沖縄の美しい自然を映したようなキレイな色遣いと可愛らしさが魅力の花織。
ますます生産数が減っているので、「これ!」と一目惚れした1本と出会ったら、迷わず手に入れてくださいね!

更新日 | 2023/02/28

カテゴリ | 名古屋帯

『品格の教科書』一生ものの知識を1項目ずつ習得! あなたも自然と品格美人!

山本呉服店会長、山本由紀子著「品格の教科書」より、今すぐ役に立つちょっとしたマナーをお教えします!

 

①『お金に着物を着せなさい』 〜品格の教科書P74より〜

年末年始はお金のやりとりも増える季節。封筒やポチ袋はカバンの中には必須。

お年玉や心付け、借りたお金(大金ではなく少額)を返す時にも、ポチ袋が重宝します。

 

お友達に300円貸したとき、後日、「ずっと気になっていて。あの時は助かりました」とポチ袋に入れて返してくれました。

添えられた「ありがとう」の文字にもその人柄が表れていて、さすがだなぁと思いました。

 

お金に着物を着せてあげると、感謝の気持ちがさらに倍増します。

小銭もポチ袋に包むとさらにステキ!

 

 

少しの心遣いで、相手の気持ちは大きく変わります。

「丁寧にしてもらってありがとう」「この人は素敵な人だな」と思うのではないでしょうか?

 

 

《キムタクと織田ちん袋》

大盛況の信長祭り。あの時のニュースで、岐阜出身の伊藤英明さんが、映画にちなんだ絵柄のポチ袋をキムタクにプレゼントした事が話題になりました。

その中に映画のチケットを入れ、関係者の方に配ったキムタク。

イケメンって、行動もイケメンなんだね。

 

 

《右を上にする事がものを包む時のマナーです》 〜品格の教科書 P42より〜

お祝いの品やお土産を包む時、必ず向かって右が上に来るように包むという作法があります。

この「右が上」という考え方は、和紙や風呂敷、目録、金封、敷紙、片木(へぎ)、三方、戸棚、襖(ふすま)、障子など、身の回りのもの全てに当てはまります。

お年玉や心付けのお札の入れ方にも、マナーがあることを知っていますか?

1年の始まりであるお正月に、恥をかかないためにも、ぜひマナーを確認しておきましょう。

 

お正月に手土産を持って行く際の風呂敷の包み方も気をつけてみてくださいね♪

 

《まずは本を読もう!》

これであなたも品格美人!

「品格の教科書」山本由紀子著  サンマーク出版より絶賛発売中!!

お求めは山本呉服店各店、全国の書店で! (¥1540税込)

更新日 | 2022/12/24

カテゴリ | スタッフページ

2023年は卯年 うさぎ年ってどんな年?

《卯年ってどんな年?》

うさぎは昔から縁起の良い動物として知られています。

困難な上り坂でも簡単にピョンピョン飛び越える姿は「飛躍」「向上」を象徴し、卯年は物事が目に見えて大きく成長する年だと言われています。

他にも、うさぎは月と関係が深いことから「ツキ」を呼ぶ、長い耳は福を集める、とも言われています。

何かを始めるのに縁起のいい1年。

みなさんも新しいことに挑戦してみませんか?

 

 

《「うさぎ」「卯」「兎」?》

十二支を表すときは「卯」、動物の意味なら「兎」の漢字を当てるのが一般的です。

 

 

《数え方もいろいろ》

昔からうさぎは「1羽、2羽」と数えます。

「羽」で数えるようになった理由はいろいろな説があります。

 

①まだうさぎを家畜として扱っていた時代、仏教で4足の動物を食べることを禁じられていたため、跳ねまわり、2本足で立つうさぎを「鳥」として扱ったことから、「1羽、2羽」と数えるようになった。

②うさぎの長い耳が羽のようだから、鳥に見立てて「羽」で数えた。

などなど。

現在は、生きたうさぎは「匹」、食肉は「羽」、ペットは「頭」「匹」と使い分ける場合が多いようです。

 

《兎のことわざ》

・二兎追うものは一兎も得ず
同時に二つの事を得ようとすると、どちらも成し遂げられなくなってしまうこと。

・脱兎のごとく
うさぎが駆けるようにとても早くて捕まえられないこと。

・兎の耳
人の知らない事件や噂などをよく聞き出してくること。地獄耳。

・兎の糞
物事が切れてしまい、思うように捗らないこと。長続きしないこと。

 

《兎にまつわる神社》

実は、山本呉服店の本店がある揖斐の「三輪神社」は、神話の「因幡の白兎」にちなんで、大黒さん(大国主命)をおまつりしています。

三輪神社の「なでうさぎ」。癒しや良縁のご利益満点!

来年は卯年でとってもかわいいうさぎのおみくじ(300個限定)、絵馬(100個限定)がありますよ♪

ぜひお正月に初詣に行かれてはいかがですか?

三輪神社HPこちら

 

《卯年のパワーを身につけよう》

卯年、縁起の良いうさぎのアイテムを身につければ、運気もアップ!

藤娘きぬたや うさぎの名古屋帯。 優しいタッチの絞りで表現されたうさぎさんが可愛い帯。

おなかにもうさぎが。

 

かわいいうさぎの帯留め。ぶらさがったにんじんもかわいい♡

2023年はうさぎアイテムを身につけて、うさぎのように軽やかに着物を楽しみましょうね♪

更新日 | 2022/12/24

カテゴリ | スタッフページ名古屋帯帯留藤娘きぬたや

山本呉服店の年末年始 営業時間と着付けのご予約のご案内

誠に勝手ながら、2023年 年末 2024年 年始の営業時間を下記の通りとさせて頂きます。

当店では、買って頂いた着物は1回でも多く着て欲しいという思いで、

元旦から着付けをしています♪

2024年も1月1日(AM10:00~11:30)・1月2日(AM10:00~PM16:30)と

着付けしますので、12月25日(月)までにご予約くださいね!

ご予約は、LINE・TEL・店頭どこでも受け付けております。

お正月は1年の始まり。年の初めのご挨拶、初詣には着物がぴったりです♪

せっかくなので、ご家族、お友達と着物を着て、新しい気持ちで新年を迎えませんか?

お正月の着付けをご予約された方は、

12月26日(火)17:00までに、着たい着物一式と着付けの小物をお店にお持ちください♪

当日お忘れ物がないように、前もってお預かりさせていただきます。

持ち物がわからない方は、

↓の着付け小物チェックリストをご確認の上、お持ちくださいませ。

★振袖を着られる方の持ち物リスト

https://www.yamamoto-gofukuten.com/blog/wp/wp-admin/post.php?post=17048&action=edit

★振袖以外(訪問着・小紋・紬など)を着られる方の持ち物リスト

https://www.yamamoto-gofukuten.com/blog/wp/wp-admin/post.php?post=17060&action=edit

★有料着付け(当店の着物または帯を使わない場合)に関して

 

ご不便をおかけいたしますが、よろしくお願い申し上げます。

 

本年も、ご来店いただき、また、ホームページをご覧頂きまして、誠にありがとうございました!

来年も皆様と着物を通じて楽しく豊かな時間を過ごしたいと思います。

皆さま良いお年をお迎えくださいませ。

 

更新日 | 2022/12/24

カテゴリ | お知らせ・キャンペーン

山本呉服店流「腰ひも1本のラクな着付け」③道具の準備、足袋の履き方、肌着の着方

山本流「腰ひも1本のラクな着付け」。

サイズの合う長襦袢と着物が用意できたら、いよいよ着付けです。

 

《道具の準備》

着付けに必要な道具は、あらかじめ手に取りやすいように準備しておきます。

・腰ひも1本
・コーリン結び1組
・伊達締め1本
・前板
・半幅帯
・着付けクリップ

前板は椅子や机の上など手に取りやすい高さに置いておきます。

腰ひも、コーリン結び、伊達締めなどの長い物は、鏡やハンガーなどに立ったまま取れるように掛けておきましょう。

腰ひもや伊達締めの真ん中を持てるように掛けておくのがコツです。

着付け途中にかがんで取ったり、あちこちへ動くと着崩れのもとです。

道具の準備

半幅帯ではなく、名古屋帯、袋帯をする時には、

・帯枕
・帯揚げ
・帯締め

・お太鼓を結ぶ用の腰紐(仮紐)2本

が必要です。

 

 

 

 

《足袋、肌着》

①足袋の履き方

足袋をはく時には、しっかりお尻をおろして、足首が直角になるようにして履きましょう。

立ったままや、足首を伸ばしているとこはぜが掛けにくいです。

足袋からキレイに履けるようにしましょう。

 

① 履きやすいように、足袋を真ん中まで広げます。

② 足を入れます。

③ 足首が直角になるようにして、こはぜを下から掛けていきます。

 

正しい足袋の履き方

正しい足袋の履き方 下から掛ける2

 

下の写真は「間違った履き方」

間違った足袋の履き方 後ろから掛ける

こはぜを後ろから通そうとしたり・・・

 

間違った足袋の履き方 後ろから掛ける

上から掛けてはいけません。

 

 

②肌着の着方

ワンピースタイプ、上下分かれているものなど、肌着の種類はいろいろあると思いますが、

一番のポイントは「衿ぐりが深いこと」。

衿ぐりが浅いと、長襦袢を着た時に、後ろから肌着が見えてしまいます。

着た時に、後ろへ引っ張るのも忘れずに!

肌着の着方 衿から見える

↑コレではカッコ悪いですよね。

正しい肌着の着方 衿から見えない

衿から見えない様に気をつけましょう!

 

更新日 | 2022/11/25

カテゴリ | 山本呉服店流着付け・やきいも部

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