着物を通して成長させてもらえる場（まりちゃんのママさん）

「娘が成人式の時に振袖を着せてあげたい」

そう思って箪笥の中からかつて自分が着ていた着物を取り出してみると、長年手入れをしていなかったからシミができていて、また身長の高い彼女にはサイズが合わないことがわかりました。

そこで、娘のために振袖を新しく作ってあげようと思って訪れたのが、山本呉服店との出会いでした。
初めてたくさんの着物を見た娘は、とても楽しそうに着物選びをしていました。

山本呉服店の好きなところは、着物を買ってからよりご縁が深まっていくところです。「売って終わり」ではないんですね。

振袖の着付けに関しても山本呉服店からたくさんのアドバイスをいただきました。
娘は気に入って購入した振袖を何度も着る練習をしていました。着物を着慣れていない娘は最初は苦しくてすぐに脱いでしまっていたけども、成人式には堂々と晴れ着を着てでかけていきました。親として誇らしい気持ちになりました。

こうして娘の振袖がきっかけとなっておつきあいがはじまった山本呉服店。
着物を着て出かけるイベントや日本の文化を楽しむイベントなどをいろいろ開催してくださるので、娘や私も参加させていただくようになりました。そして着物を通してたくさんの良い仲間に出会うことができました。

お店の方はもちろんですが、お客さんの中でも友達が次々と出来て親しくさせてもらっています。

娘はお店の相談役さんを“ピコ太郎”さんと呼んでいて（イベントの際に仮装されていた印象が強くて）今でも思い出すと笑みがこぼれるのですが、ある時、気に入った着物を見つけるや否や「これが欲しい！」ではなく、いきなり「これ買います！」と”ピコ太郎“さんに言っていたのにも驚きました。
よほど気に入ったのでしょうね。

みなさん娘のことを「まりちゃん」と気さくに声をかけてくださって、娘にとっても私にとっても居心地のいい居場所となりました。そのうち、毎年開催されている文化祭のボランティアや成人式前日の準備なども手伝わせてもらうように。それらの経験はこれまで知らなかったさまざまなことを知る機会になって、とても自分自身の成長になっているように思います。

不思議なことに、山本呉服店はいい意味で「お店」という感じがしないんですね。いうならば「気を使わずにふらっと立ち寄れる場」。

例えば、友人とごはんを食べた後「どこかにお茶に行こうか」という話になった時に足が向かうのは、山本呉服店（笑）。

そうやって気軽に立ち寄って、お茶をいただきながら他愛もない会話をして一息したら帰る。呉服店に行ったにも関わらず、着物をまったく見ない日もありますし。

そうした何気ない会話のなかで、近況報告をしたり、知らないことを教えてもらったりして、良い仲間とのご縁が広まり、自分の興味が広がっていったことがたくさんあります。
娘の誕生日もお店でみんなに祝って頂いて良い思い出になりました。

こうしたお店の懐の深さはありがたいと思います。

山本呉服店で知り合った方たちの着物との付き合い方からも学ぶことが多いです。みなさんこれまで買った着物をとても大切にされていて、そして目が肥えていると思います。

友人がずいぶん前に買ったという着物もとてもセンスがよく、数十年前に買ったものとは思えませんでした。これは山本呉服店の目利き力でしょうね。

そして、自分が何か購入する時も、スタッフの皆さんは絶対に自分に合うものを勧めてくれる安心感があります。

たとえ帯〆一本でも、似合う似合わない、使いやすいかそうでないか、そういった的確なアドバイスがお見事。それは長いお付き合いのなかで、私たち顧客がそれぞれ持っている着物や小物を覚えてくださっているからできること。

だから「こんなもの買わなければよかった」と思うものはひとつもありません。

そうして揃えた着物や小物たちは、何十年経って着ても自分に似合うし、「いい」と言ってもらえる着こなしができるのだと思います。

これからも着付け教室も頑張って続けて、娘に着物を着せてあげられるように上達したいな！と思っています。

山本呉服店の皆さん、長い目で優しく見守ってくださいね！！