着物の基礎知識

季節の着こなし

「暑さが残る9月10月、どう着こなす?」フォーマルシーンに似合う秋色コーディネートのポイント(訪問着・附下・色留袖)

紅葉や実りを思わせる秋色で、お祝いの席を華やかに演出できる、秋のフォーマルシーンにおすすめする単衣の着物とコーディネートのご紹介です。

 

秋は一年の中でも特に結婚式やお呼ばれが増える季節です。

この大切なシーズンにおすすめしたいのが、訪問着・附下・色留袖といったフォーマルな単衣の着物です。

 

 

秋色コーディネートの基本は「自然の色」

日本の着物文化は、四季の移ろいを装いに映し出して楽しむところに大きな魅力があります。

コーディネートの基本は、自然界に目を向けること。

秋が深まっていくと山や木々が紅葉し、黄金色に実った稲穂や、栗・柿・葡萄といった果物が豊かに実ります。これらの実りの色合いを帯や小物に取り入れることで、季節感が自然と生まれ、フォーマルな場にもふさわしい装いとなります。

 

特に結婚式などのお祝いの席では、「実り」を思わせる色合いは、まさにお二人のご縁が実を結び、豊かな人生が広がっていくことを願う意味を込められるもの。そうした背景を意識して選ぶと、着物姿にさらに奥行きと美しさが加わります。

 

 

写真のコーディネート例

今回ご紹介するのは、やさしい薄ピンクの訪問着。

女性らしい柔らかさを引き出すこの色は、秋のフォーマルシーンにも相性抜群です。

 

 

*黒地の帯を合わせたスタイル

(訪問着:吉澤織物、袋帯:となみ織物、帯締め:平田組みひも)

シックでモダンな印象。ピンクのやわらかさをぐっと引き締めて、大人の華やかさが際立ちます。夜の披露宴や格式高い場にもおすすめ。

 

*茶系の帯を合わせたスタイル

(袋帯:となみ織物、帯締め:平田組みひも)

四季折々の花々が描かれる茶系の帯、落ち着いた雰囲気で実りの秋を思わせるコーディネート。紅葉の部分が前に来るように結びます。上品で温かみがあり、明るい会場や昼の結婚式にふさわしい落ち着きと華やかさを兼ね備えています。

同じ着物でも帯次第で、こんなに雰囲気が変わるのです。

「これ一枚あれば、どんな場にも自信を持って出席できる」── そう思わせてくれる、頼もしい一着です。

 

 

秋単衣の上品な着こなしの工夫

秋の単衣をフォーマルに着こなすためには、春の単衣との違いを意識したコーディネートがポイントです。

 

*帯や小物は落ち着いた色合いに

春は芽吹きの季節なので明るく爽やかなトーンが中心ですが、秋は少しトーンを落ち着かせて、深みのある色を選ぶのが正解。こっくりとした暖色やマットな質感を取り入れると、ぐっと上品にまとまります。

 

*半衿は冬物を

(重ね襟:くすみ水色、オフホワイトのラインストーン入り2本使い)

半衿は顔まわりに映える部分。秋のフォーマルでは冬物の半衿を合わせ、きちんと感を演出しましょう。夏物の透ける素材(絽など)だと透け感があって涼しく見えてしまうだけでなく、透けることによって軽く見られてしまい、重厚感がなくなってしまいます。単衣の着物の素材感ともマッチしません。

 

*襦袢や肌着で温度調整を

「暦の上では秋」でも、まだ暑さが残る日も多い時期です。そんなときには長襦袢や肌着を夏用にして、着心地を軽やかに。快適さを工夫することが、美しい所作にもつながります。

 

*流行をひとさじ取り入れる

今流行している「くすみカラー」は、秋のしっとりしたコーディネートとも相性抜群です。帯締めや半衿などの小物で取り入れると、さりげなくモダンな印象に。

 

*春色コーディネートの例

春は軽やかに、爽やかな色使いを心がけます。

芽吹きの季節ですので、深みのある色ではなく淡い色使いでまとめます。袋帯はもちろん、帯揚げ、帯締め、重ね襟も軽やかで明るいトーンの小物を選びます。

 

自分に似合う秋色を選ぶ

ただし、秋らしい色を取り入れるといっても、すべての色がご自身に似合うとは限りません。大切なのは、お顔映りが一番美しく見える色を選ぶことです。試着をして実際に顔色が明るく映えるかどうかを確かめながら選ぶと、自信を持って着こなせます。

 

 

山本呉服店がこだわる ― 単衣のための帯選び

着物姿をぐっと上品に見せるために欠かせないのが、帯の質感です。

特に「ひとえ(単衣)」の場合は、冬の袷(あわせ)と同じ生地を使っていても、裏地がついていない分、着姿がふわっと軽やかに見えます。

人の目はとても繊細なもので、「なんとなく軽い」「すっきりして見える」といった印象を自然に感じ取ります。そのため、ひとえに合わせる帯は、袷に使うものとは少し違った選び方が必要なのです。

単衣には「軽やかさのある帯」を

袷の着物に合わせる帯は、重厚感のあるものが中心です。けれども、それをそのまま単衣に合わせてしまうと、帯だけが浮いてしまったり、全体のバランスが重たく見えてしまうことがあります。

そこでおすすめなのが、少し軽やかな質感の帯。さらっとしていて柔らかい光沢を持つ帯や、マットな中にも軽さを感じさせる帯を選ぶと、ひとえの「すっきりした美しさ」と調和して、とても上品にまとまります。

今は「単衣用の帯」があります

昔は「夏用」と「冬用」の二択しかなかった帯ですが、最近は単衣を着る期間が長くなったことで、単衣専用の帯という選択肢が生まれています。

今回、撮影に使用した黒地の帯も白地の帯も単衣に最適な質感です。色合いとして、黒地を秋用、白地を春用でご紹介しました。

この帯は、夏帯ほど透け感はなく、冬帯ほど重厚でもない──まさに「単衣にちょうど良い」バランス。実際に合わせてみると、着物との一体感がとても自然で、「ああ、この時期はこういう帯が合うんだ」と実感していただけると思います。

 

 

せっかくだから、帯も一緒に見ていただきたい

せっかくのフォーマルな場にふさわしい着物をお選びいただくなら、帯まで含めてトータルでご提案するのが山本呉服店のこだわりです。

単衣の軽やかさを引き立てる帯を合わせることで、同じ訪問着でも表情がぐっと変わります。

写真のように、薄ピンクの訪問着に「黒系帯」を合わせればモダンで引き締まった印象に、茶系の帯を合わせれば秋らしい実りを思わせる温かみのあるスタイルに。

「これなら秋のお呼ばれに着ていきたい」と思える最高の組み合わせを、ぜひ店頭で見比べてみてください。

 

 

秋のお呼ばれに、季節をまとう贅沢を

結婚式やお呼ばれは、せっかくの華やかな機会です。

フォーマルシーンにふさわしい着物は、その場を華やかにし、ご自身を輝かせるだけでなく、大切な方への祝福の気持ちを装いで表現できる特別なものです。

深まりゆく秋の気配を映した単衣の着物は、涼しさと格式を兼ね備え、お祝いの場にふさわしい気品を引き出します。

日本には、季節を先取りして楽しむという美しい文化があります。秋単衣をまとい、紅葉や実りを思わせる色合いでコーディネートをすれば、ご自身も華やかに輝き、場の雰囲気をさらに格上げしてくれるでしょう。

この秋は、ぜひ「実りの季節を装う」という気持ちで、フォーマルな単衣の着物を取り入れてみませんか?

(文・山本千恵子)

 

こちらも参考に…

*「ちゃんとフォーマルなのに、軽くて楽!」単衣の訪問着って、どんな着物?
👉 こちらのページ

*「夏の着物を涼しく楽しむために」長襦袢の素材選び
👉 こちらのページ

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