着物の基礎知識

山本呉服店の想い

【着物選びについて】着る場所やTPO・格・帯合わせまで一緒に考える、山本呉服店の向き合い方

「着物を着てみたい。でも、何を選んだらいいのかわからない」

山本呉服店に来られるお客様は、そんなところからご相談が始まることが少なくありません。

着物を着ることに慣れている方なら、「この着物が好き」「この帯に合うものを」と選ぶこともできます。

けれど、初めて着物を選ぶ方にとっては、そもそも何を基準に選べばいいのかが分からない。

 

・訪問着がいいのか、付下げなのか、小紋なのか。
・そもそも着物の名称もわからなくて、不安。
・帯は袋帯なのか、名古屋帯なのか。
・結婚式ならどのくらいの格が必要なのか。
・お食事会なら、どこまできちんとすればいいのか。

 

着物には洋服とは違う「格」や「TPO」があり、着物と帯の組み合わせによっても、着たときの印象は大きく変わります。

だから私たちは、まず「何をお探しですか?」とは聞きません。

 

<目次>

1.まず「どこで、どう着るのか」からご相談します

2.着物の「格」やTPO、帯との合わせ方まで考える

3.「今着る」だけでなく、これからの着回しも考える

4.「似合う」は、色や柄だけではありません

5.山本呉服店が考える、着物のスタイリストという仕事

 

 

 

 

着物選びは、商品を選ぶ前から始まっています。

たとえば、

・どこへ着て行きたいのか

・どんな場面で着るのか

・誰と過ごすための着物なのか

・どのくらいきちんとした装いが必要なのか

・今後、どんな場面でも着る可能性があるのか

 

そんなことを伺いながら、その方に合う着物を考えていきます。

「食事会に着て行きたい」というご相談でも、ホテルでの食事なのか、気軽なランチなのか、お茶会なのか、観劇なのかによって選ぶものは変わります。

同じ「食事」でも、求められる装いは同じではありません。

だから、単純に「今人気の着物」や「この着物がおすすめです」と商品を先に決めるのではなく、その方が実際に着る場面を考えながら、着物と帯の組み合わせを考えていきます。

 

 

着物は、色や柄が気に入ればそれで終わり、というものではありません。

どのくらいの格の着物なのか。
どんな帯を合わせるのか。
帯や小物を変えることで、どんな雰囲気になるのか。

そうしたことまで含めて、一枚の着物を考えます。

 

たとえば、

・きちんとした席に着ていくなら、どのくらいの格が必要か

・少し気軽なお出かけなら、どこまでカジュアルにできるか

・同じ着物でも、帯を変えることでどんな着こなしができるか

・今回だけでなく、別の場面でも使えるか

 

そんなことを一つずつ整理しながらご提案します。

「なぜこの着物なのか」
「なぜこの帯を合わせるのか」

そこまで分かって選ぶと、着物はぐっと身近になります。

ご質問があればもちろん一つずつお答えしますし、特に質問がなくても、初めての方には「なぜこれをおすすめするのか」をできるだけ分かりやすくお伝えするようにしています。

 

 

私たちが考えているのは、目の前の一枚を販売することだけではありません。

今回選んだ着物を、これからどんなふうに楽しんでいけるのか。

一度きりの行事のためだけなのか。
何度もお出かけに使えるものなのか。
帯を替えることで、違う雰囲気でも着られるのか。

少し先の着物の使い方まで考えて、その方に合うものをおすすめします。

 

また、ご家族の中で着物を楽しむこともあります。

たとえば、お母様が着ていた着物を将来お嬢様が着る。
姉妹で兼用する。

そんな可能性がある場合には、最初に選ぶ段階から「この一枚をこれからどう使っていけるか」という視点も持っておきます。

もちろん、先のことばかりを優先するわけではありません。

その方が「今、着たい」と思えることも、とても大切です。

今の自分に似合うこと。今、着たいと思えること。そして、これからも楽しめること。

そのバランスを考えて、一枚を選んでいきます。

 

 

そして、もう一つ大切にしているのが、その方自身に似合うかどうかです。

好きな色と、似合う色がいつも同じとは限りません。

柄の大きさや色の組み合わせ、帯との合わせ方によっても、顔映りや全体の印象は変わります。

だから私たちは、商品を見ていただくだけではなく、実際に羽織っていただきながら考えます。

 

「こちらの色の方がお顔が明るく見えますね」
「この柄なら、帯を変えても楽しめます」
「こちらは華やかですが、帯を少し落ち着かせると使いやすくなります」

そんなふうに、その方が着物を着た姿を一緒に見ながら選んでいきます。

 

着物は、同じ反物でも、誰が着ても同じように見えるわけではありません。

色や柄だけを見るのではなく、その方が実際に身につけたときにどう見えるのか。

そこまで考えて選ぶことが、私たちにとっての「似合う着物」です。

 

 

山本呉服店では、着物を販売することだけを仕事だとは考えていません。

着物を着たいと思った方が、

「これなら着て行けそう」
「この着物を着て出かけてみたい」

と思えるところまで、一緒に考える。

着る場所、TPO、格、着物と帯のコーディネート、色や柄、今後の着回し、そしてその方自身に似合うかどうか。

そうしたことを総合的に考えて、その方に合う一枚を提案する。

私たちは、その役割を「着物のスタイリスト」だと考えています。

だから、山本呉服店の着物選びは「これください」から始まらなくてもいい。

「着物を着てみたいけれど、何を選んだらいいかわからない」

その一言から、一緒に考えるところから始まります。

 

(文・山本千恵子)

 

 

こちらも参考に

*山本呉服店の想い1
👉 【着物の価格について】知っておきたい販売価格の違い 山本呉服店が「買い取り仕入れ」をする理由

*山本呉服店の想い3
👉 【着物の仕立てについて】同じ着物でも、仕立てで着姿は変わる|山本呉服店が丁寧にしていること

 

 

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展示会だけでなく普段の営業日でもご覧いただけます。お手持ちのお着物や帯もぜひお持ちください。実際に合わせながら、ご一緒にコーディネートを楽しみましょう。

 

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