着物の基礎知識

フォーマル・儀式の着物

娘と行く黄檗山萬福寺の月見煎茶会、何を着ていく?  訪問着・付下げがおすすめな理由

「今度、娘と一緒に黄檗山萬福寺の月見煎茶会へ行ってみようと思って。何を着ていこうかしら?」

 

お抹茶の茶道を習って数年になる方なら、そんなふうに考えることもあるのではないでしょうか。

普段のお稽古とは違う煎茶のお茶会。

しかも、会場は煎茶文化と深い縁を持つ黄檗山萬福寺です。

せっかくなら、いつものお稽古着ではなく、訪問着や付下げに袋帯を合わせて、きちんとした装いで出かけたいお茶会

では、黄檗山萬福寺の月見煎茶会は、いったいどんなお茶会なのでしょうか。

 

 

黄檗山萬福寺の月見茶会とは?

黄檗山萬福寺は、1661年に中国・明から渡来した隠元隆琦禅師によって開かれた、黄檗宗の大本山です。

そして、萬福寺は日本の煎茶文化とも深い縁のある場所

隠元禅師は禅だけでなく、中国の文化や生活様式とともに、日本の煎茶文化にも大きな影響を与えました。

現在も萬福寺には煎茶道との深い関わりが残り、全日本煎茶道連盟の本部が置かれています。毎年、全国の煎茶道の流派が集まる「全国煎茶道大会」も開催されています。

 

 

そんな萬福寺で、毎年秋に開かれるのが「月見の煎茶会」です。

この茶会の大きな特徴は、一つの流派だけではなく、複数の煎茶道流派が一堂に会すること。

小笠原流、二條流、方円流、黄檗売茶流など、さまざまな流派が、萬福寺の歴史ある伽藍を舞台に、それぞれの茶席を設けます。

重要文化財の建物や茶室などを使い、掛物や花、お道具、お菓子、そしてお点前まで、その流派ならではの趣向を凝らした茶席がつくられます。2025年は約1000名が参加する大寄せ。

一つの茶席だけでなく、いくつもの席を巡りながら、それぞれの流派の違いや美意識を楽しめるのも、この大茶会ならでは。

 

 

さらに、月見茶会という名前の通り、夕暮れから夜にかけて境内に灯りがともり、秋の夜の萬福寺という特別な空間でお茶を楽しめます。

そして、茶席だけではありません。

月見茶会では献茶式も行われます。

2025年の第50回記念茶会では、小笠原流による献茶式が行われ、黄檗山の管長も臨席しました。

 

こうしたことからも、萬福寺の月見茶会が、単なる「お茶をいただくイベント」ではなく、煎茶道の文化を受け継ぐ方々が、その世界を披露する大切な茶会であることがわかります。

 

 

お抹茶を習っている方だからこそ、楽しめる

普段、裏千家や表千家などのお抹茶を習っている方にとっても、煎茶道のお茶会は興味深いものです。

同じ「お茶」でも、使う道具やお点前、茶席の趣向には違いがあります。

お抹茶のお稽古をしているからこそ、

「こんな道具を使うんだ」
「お点前がこんなに違うんだ」

と、その違いを楽しみながら見ることができます。

お茶を習って数年たった今だからこそ、ただ「体験する」のではなく、違いを感じ、学びながら楽しむことができるのではないでしょうか。

 

 

だから、この日は訪問着や付下げで

そして、そんな月見茶会へ伺うなら、茶道経験者の方には訪問着や付下げに袋帯を合わせた、きちんとした装いをおすすめします。

 

(↑ 右から1人目スタッフ木村・2人目由紀子会長は訪問着に袋帯)

 

なぜなら、この茶会は、お客様がお茶をいただくだけの場ではないからです。

茶席を担当する方にとっては、日頃のお稽古で身につけてきたお点前や所作、道具の扱い、季節のしつらえなどを、実際のお客様の前で披露する晴れの舞台。

萬福寺の月見茶会では、複数の流派がそれぞれの茶席を設け、その流派ならではのお茶の世界を披露します。そして正式な献茶式も行われる、フォーマルの場。

そこへ伺う私たちも、その場への敬意を込めて、少し改まった装いで出かけたいものです。

訪問着や付下げに袋帯。

お茶会だからこそ楽しめる、きちんとした着物姿です。

 

 

なかなか着る機会のない着物を、こんな日に

「訪問着は持っているけれど、着る機会がなくて……」

そんな方も多いと思います。

結婚式などのおよばれが少なくなった今、フォーマルの着物を着る機会は意外と少ないもの。

だからこそ、こうしたお茶会を、眠っている一枚に出番をつくる機会にしてみてはいかがでしょう。

娘さんと一緒に着物を着て、萬福寺へ。

いつものお稽古とは違うお茶の世界に触れ、いくつもの茶席を巡り、秋の夜を楽しむ。

そんな特別な一日だからこそ、訪問着や付下げを。

日頃のお稽古の成果を披露する方々への敬意を込めて、こちらもきちんとした装いで。

この秋は、お手持ちの訪問着や付下げに袋帯を合わせて、黄檗山萬福寺の月見茶会へ出かけてみませんか。

 

(文・伊藤若冲が大好きな私「売茶翁」は萬福寺出身のお坊さん 山本千恵子)

 

 

こちらも参考に

*イベントのお誘い
👉 黄檗山萬福寺 月見煎茶会2026

 

*スタイリング写真 秋のお茶会
👉 Instagram 京友禅の附下にとなみ織物の袋帯

 

 

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