着物の基礎知識

子供の着物

【七五三のお話①】なぜ七五三は「三・五・七」なのでしょう。 知ると、七五三がもっと特別な日になります。

七五三が近づくと、お子様の着物や写真撮影のご相談をいただくことが増えてきます。

「レンタルにしようかな」

「写真はどこで撮ろう」

「神社へはいつお参りしよう」

そんなお話を伺いながら、私はいつも思うことがあります。

 

七五三は、なぜ三歳・五歳・七歳なのでしょう。

一歳でも四歳でも六歳でもなく、なぜ「三・五・七」なのか。

その理由を知ると、七五三は単なる子どものイベントではなく、親が子どもへ託した願いが込められた、日本の大切な人生儀礼であることが見えてきます。

 

 

七五三に込められた親の願い

今では、子どもが元気に成長することは当たり前のように感じられるかもしれません。

しかし昔は違いました。

医療が発達していなかった時代、小さな命は病気や流行り病によって失われることも少なくありませんでした。

親にとって一番の願いは、
「立派な子になってほしい」
「勉強ができるようになってほしい」ではなく、
「ただ、この子が無事に育ってほしい。」
その願いだけだったのです。

 

だから三歳を迎えたときには「ここまで育ってくれてありがとう」。

五歳を迎えたときには「元気に成長してくれてありがとう」。

七歳を迎えたときには「これからも健やかに育ちますように」。

その感謝と願いを神様へお伝えする日が、七五三でした。

 

 

三歳・五歳・七歳、それぞれの意味

* 三歳 ― 髪置き

それまで剃っていた髪を伸ばし始める節目でした。
「ここまで元気に育ってくれた」という喜びが込められています。

* 五歳 ― 袴着

男の子が初めて袴を身につける儀式です。
子どもから一人前へ向かう大切な節目とされました。

* 七歳 ― 帯解き

女の子が子ども用の紐を卒業し、大人と同じ帯を締めるようになります。
少女から大人へ成長していく第一歩でした。

 

 

数え年?満年齢?どちらで祝うの?

「数え年でやるべきですか?」というご質問をよくいただきます。

昔の日本では、人生儀礼は数え年で行うのが一般的でした。

・生まれた時を一歳と数える

・お正月を迎えるごとに一歳年を重ねる

そのため、本来の三歳の七五三は現在の二歳頃に行われていました。

 

ただ、現在では

・お子様の成長

・ご兄弟の予定

・ご家族のお仕事

などに合わせて、満年齢でお祝いされるご家庭もたくさんあります。

どちらが正しいということに拘り過ぎなくても良いかなと思います。

大切なのは「何歳で行うか」ではなく、「ここまで元気に育ってくれたことを家族で喜ぶこと」です。

 

 

なぜ七五三は11月15日?

七五三の日といえば11月15日。

これにも日本人らしい意味があります。

・旧暦では15日は「鬼宿日」と呼ばれる大吉日。鬼が宿(自宅)に居て出歩かない日で邪魔をされないと言われている

・旧暦の十五日は満月の日で、縁起が良い吉日とされていた

・十一月は収穫を終え、実りを神様へ感謝する月だった

・子どもの成長もあわせて感謝する日として定着した

自然の恵みと家族の幸せを同じように大切にしてきた、日本人の考え方が感じられます。

 

 

 

千歳飴にも願いがあります

七五三といえば、長い千歳飴。

細長い形には、

・細く長く

・健やかに

・長生きしてほしい

という願いが込められています。

昔も今も、千歳飴を持って写真を撮る姿は七五三ならではの風景です。

 

 

<山本呉服店からひとこと>

親になった日、「元気に育ってほしい」と願わなかった方はいらっしゃらないと思います。

七五三は、その初心を思い出す日なのかもしれません。

七五三は、家族の節目です

近年は、写真撮影だけを行ったり、神社へのお参りをされないご家庭も増えてきました。

もちろん、ご家族それぞれにさまざまな考え方があります。

それでも七五三は、本来、

「ここまで無事に育ってくれてありがとう」

という感謝と、

「これからも健やかに育ちますように」

という願いを神様へ届ける、日本ならではの人生儀礼です。

着物を着ることにも、その日を特別な節目として家族みんなで迎える意味があります。

思い出に残る、七五三にしたいものですね。

 

(文・山本千恵子)

 

こちらも参考に

*七五三のお話②
👉 生まれた日から始まる「この子の着物を誂える」こと

*七五三のお話③
👉 女の子 7歳は大人への第一歩

* 七五三が終わったら
👉 十三詣りまで着られるジュニア着物

 

*スタイリング写真
👉 Instagram 7歳女の子 おばあちゃんと記念写真

👉 Instagram 7歳女の子 お母様もきぬたや総絞り訪問着で

 

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