2026/04/07
【2025年開催報告】長良川「幽玄鵜飼」レポート:1300年の伝統を最高級の夏着物で愉しむ、至高の船上饗宴
2025年、織田信長公が愛した漆黒の闇を蘇らせた「幽玄鵜飼」。
当日はあいにくの増水で鵜飼は中止となりましたが、宮内庁式部職が守る1300年の伝統とミシュラン星付きシェフの美食が響き合う、正真正銘「本物」の一夜となりました。
◆◆◆ 2026年「幽玄鵜飼」お誂え・着付けプランのご案内◆◆◆
今年もこの特別な夜を、最高の装いで愉しむための限定プランをご用意いたしました。
[▶ 幽玄鵜飼2026 漆黒の長良川、唯一無二のドレスコード「着物」で五感を揺さぶる一夜を。)]

私もその記念すべき第一回に立ち会ってまいりました。
呉服屋の私から見て何より感動したのは、この格調高き闇の中で、皆様の纏(まと)われた「夏着物」がどれほど美しく、気高く輝いていたか。信長や芭蕉の時代と同じく、この特等席には 「着物を新調して乗船する」ことが、最高に粋で贅沢な大人の嗜みである と確信いたしました。
最高級の絹に身を包み、風景の一部として歴史を共に紡ぐ。そんな「着物でしか味わえない悦び」を、ご報告の文章と写真でに皆様にお届けします。

宮内庁式部職が守る、日本唯一の「御領鵜飼」
長良川の鵜飼は、単なる観光行事ではありません。

奈良時代から1300年。現在、全国で唯一、鵜匠が「宮内庁式部職」という国家公務員の地位を拝命し、代々その技を継承しています。
今回再現されたのは、エンジンを一切使わず、熟練の船頭が櫂(かい)一本で操る古式ゆかしい姿。演出のために街灯や橋の明かりをすべて消し去り、1300年前と同じ「本物の闇」を作り出す……。その徹底したこだわりこそが、この夜の真価です。
(※ぎふ長良川の鵜飼オフィシャルサイト・1300年の歴史へリンク)
幽玄鵜飼オープニングセレモニー @鵜飼ミュージアムにて
記念すべき第1回 幽玄鵜飼のセレモニーがスタートしました。
(↑鵜匠さん6名 世襲制で杉山家、山下家に限られています)
(↑船頭さんも各舟毎で決まっています。鵜匠と船頭の息が合うことがとても重要)
( ↑岐阜市長・柴橋正直さん)

( ↑元岐阜県知事・古田肇さん)
(↑今回のプロデューサー笹生八穂子さん、鮎が泳ぐ夏着物。私たちが着付けさせていただきました)
「普段は明るいうちに顔を出すことがないから恥ずかしいよ」「お客さんと話すことがないから、何を話せばいいかわからんなぁ・・・」なんて言いながら、鵜の一日の世話や、1年を通しての生活を話してくださいました。
ここに、岐阜の至宝とも言える地酒の数々を飲み比べ。

私が気に入ったのはこの2つ「天ロワール(天領酒造)」や、無濾過生原酒の極み「百春(小坂酒造場)」。岐阜城を望んでグラスで味わう、穏やかな香りが寄り添います。
日本酒のフリーフローを楽しみながら、ポケモンカードならぬ、「鵜匠カード」と「船頭カード」をコレクションしながら、普段聞けない鵜飼の裏話を楽しませていただきました。
(↑普段あまり笑わない?シャイな杉山喜規鵜匠も笑顔♪)
(↑鵜匠カードをコンプリートしたかったのに1枚だけGETできず、、でも喜んでいる会長)
(↑鵜匠カードを帯に挟むのが私たちのマイブームでした 帯:西陣・都の絽綴名古屋帯)
(↑山下哲司鵜匠と記念写真 暖簾が素敵でした)
金華山が目の前。岐阜城を目指して、いざ出陣!
会場を移動して、日本有数のシェフによるコラボレーションディナーです。
現代の食卓を彩る、三人の至宝による饗宴
この夜を彩ったのは、日本国内で揺るぎない評価を受ける三人のシェフによる、一夜限りのガストロノミーです。

〇山梨「nôtori(ノートリ)」

自然の叡智を皿に盛る。その独創的な一皿は、食通たちの間で「予約が取れない」と囁かれるほど。今回は、森の香りを纏わせた前菜とデザートで、私たちを幽玄の世界へと誘いました。
〇白金「縁日(EN-NICHI)」

ミシュランの星を冠する名店で腕を磨いたシェフが、日本の食文化を再定義。鮎を知り尽くした彼が手がける「長良川天然鮎」の一品は、まさに芸術品。地元の素材が、洗練という魔法をかけられて昇華しました。
〇岐阜「洋食つばき」


地元の誇りであり、全国の肉好きが目指す聖地。厳選された飛騨牛のローストビーフとビフカツ。その圧倒的な火入れと、幾日もかけて煮込まれたデミグラスソースの深みは、まさに「本物」を知る大人のための味でした。
この美食の宴の席で、私たちが呉服屋として何よりも心を動かされた瞬間がありました。 それは、洋食つばきの女将・田中優子さんとの、思いがけない再会です。
(左・山本呉服店会長 山本由紀子、右・洋食つばきオーナー女将 田中優子さん)
「お久しぶりです!」と駆け寄ってくださった優子さん。母にとっても大切なお客様です。 右手に持たれた飛騨牛のビフカツ、そして左手に添えられた凛とした手。 この美しい立ち姿に母も私も感動しきりでした。
実は優子さん、ご結婚前に当店で着物を誂えてくださったのです。 人生の節目に選ばれた着物が、時を経て、世界を舞台に活躍される今もこうして「特別な場所」でその人を輝かせている。 「良い着物は一生もの、そして最高の場所へのパスポート」。 優子さんの凛としたお姿と笑顔を見て、母と私は改めてその価値を噛み締め、胸がいっぱいになりました。
(真ん中に笹生さん・杉山雅彦鵜匠を挟んで笑顔いっぱいの記念写真!)
信長が舞い、芭蕉が詠んだ「永遠の美」
宴の掉尾(とうび)を飾ったのは、能楽。
信長公がその人生の最期に舞ったとされる『敦盛』が披露されました。
シテ観世流・観世喜正氏をはじめとする、現代能楽界の第一人者たちによる演舞。


それは単なる演舞ではなく、この世(生)とあの世(死)の狭間を彷徨うような、静謐でいて狂おしいほどの迫力に満ちていました。
鵜飼という、生きるために命を奪う「殺生」の現場。 その篝火が照らし出す一瞬の熱狂と、火が消えた後に訪れる永劫の闇。 松尾芭蕉が、
「おもしろうて やがて悲しき 鵜舟かな」
と詠んだその真意。それは、華やかな宴のすぐ裏側に潜む「死」や「儚さ」への畏怖だったのではないでしょうか。
漆黒の闇の中、生と死が交錯する幽玄の極致。 その張り詰めた空気から伝わってくるのは、現代人が忘れかけている「命の輝き」そのものでした。歴史の深淵に触れる、凄まじいまでの時間がそこにはありました。


1300年前と同じ、美しい「着物」という正装で。
この幽玄の世界に身を置くとき、私たちが忘れてはならないことがあります。 それは、信長公が鵜飼を愛で、芭蕉が句を詠んだその時代、そこにある衣裳はすべて「着物」であったということです。
1300年変わらぬ漁法、受け継がれる能の調べ、そして職人たちが魂を込めた料理。すべてが「本物」で設えられたこの場において、着物を纏うことは、歴史への敬意であり、最高のマナーであると私は考えます。
漆黒の闇に篝火が爆ぜ、絹の光沢がしっとりと浮かび上がる。 洋服では決して味わえない、風景と一体になる悦び。 この特別な夜には、ぜひ凛とした夏着物や、手仕事の温もりが宿る浴衣を。
「本物を知る大人」が集う場所だからこそ、私たちは「本物の装い」で、この歴史の一部になりたいと思うのです。
(文・山本千恵子)

【おまけ】
鵜飼ミュージアムの近くで着付け用のお部屋をご用意いただいていました。皆様、ワクワク♪ドキドキ!で賑やかな着付けタイムも楽しめました。男子のみ掲載させていただきます。


【2026年 鵜飼シーズン到来 着物お誂え・着付けプランのご案内】
今年も鵜飼の季節がやってきました。山本呉服店ではラグジュアリーな鵜飼にふさわしい夏着物・浴衣のお誂え仕立て、および当日の着付けプランをご用意しております。
[▶ 幽玄鵜飼2026 漆黒の長良川、唯一無二のドレスコード「着物」で五感を揺さぶる一夜を。)]
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