2025/08/06
実施報告「知らないことが多くて、毎日何気なく過ごしていたことに気付けました」 夏休み学生文化講座
夏休み学生講座「浴衣で学ぶ、日本人の美意識と心」というテーマで前後半90分×2回の文化講座を開催させていただきました。
最終的には毎回、実質2時間になりましたが、「とても楽しくてあっという間でした!」と言っていただけました。浴衣の着付けをマスター出来た嬉しさと、今まで気付いてなかった日本文化の由来や今に繋がっている慣習が腑に落ちた時の面白さも笑顔から伝わってきました。

まず最初に参加いただいた感想をお伝えします。
◆高校1年生 Sさんの感想
1.一番印象に残ったことは何ですか?
日本のいろいろな文化や慣習が着物や日本の建物に繋がっていることがわかって納得して、「なるほど!」と思ったし、面白いなと思いました。左が右より上という話も興味深かったです。
2.学んだこと、着ついたことあれば教えてください
日本の文化の中心に着物があって、着物はすごく重要なものなんだと学びました。私が今まで由来や意味を知らないまま過ごしてきたと気付いたので、もっと日本の文化の由来なども学びたいと思いました。
3.これから自分でやってみたいこと、知りたいことはありますか?
もっとスムーズに浴衣を着られるようになりたいし、浴衣ではない着物も着てみたいと思いました。帯の結び方の応用もやってみたいです。
4.その他、感想等があれば自由に書いてください。
何となく過ごしてきたことが知れて、とても面白かったし、思っていたよりキレイに着付けも出来るようになって、とても嬉しかったです。
とても楽しくてあっという間の時間でした!

Sさんのお母様からもメッセージを頂きました。
・・・*・・・*・・・*・・・
娘は二日間にわたる講座を終え、「とても充実していて、たいへんおもしろい内容だった」と話しておりました。
今回の講座では、単に着付けの技術を学ぶだけでなく、日本文化や着物の特徴や素晴らしさ、美しい所作についてなど、日本人として知っておきたい内容が盛り込まれており、私自身も「若いころにこのようなことを学びたかった」と感じました。
とくに娘は今後留学を控えており、今回学んだことは異文化交流の中でも大いに役立つことと思います。これからグローバルに活躍していくうえで、まず自国の文化の魅力についてしっかり語れることは非常に重要だと改めて感じました。 このたびは、素晴らしい講座をありがとうございました。
親子で感想と率直な意見をいただき、本当にありがとうございました!
これからの学校活動、留学、将来の進路、夢のある将来に役立てる経験になっていったら嬉しいです。
今回は普段の生活に根付いている日本文化の由来や意味を中心に歴史と繋げた内容にしました。
要点は主に3点
①日本文化とは?
・四季の変化を楽しみ、自然との共存を大切にし、資源を有効に大切に使い切る思考の特徴。
・能・歌舞伎・茶道、家屋の間取りなど、日本のすべては“着物”が基本になっていること。
明治以前は着物しかなったので当然のことですが、衣服としての着物の存在意義だけでなく、1200年前の平安時代から、江戸、明治、戦後、現代と大きな流れの中で日本的な考え方やそこから生まれた衣食住の成り立ちについてお話ししました。
例:左が上位な理由・由来、日本建築の成り立ち(畳の大きさと歩数、間取りの関係)、借景を活用する日本庭園の考え方…など
②日本的なマナー、美しい所作、振る舞い
①に基づいて、日本的な配慮をする考え方が生まれたこと
例:お辞儀の仕方、立ち座り、襖や御簾で仕切る空間のため、聞こえても聞こえないふりをする日本的配慮(欧米の壁で個室を作るプライバシーの考え方とは異なること)

( ↑ 正座で足が痺れてるのに立ち上がらないといけない時、つま先を立てて暫く会話をして時間を稼ぐ…とか笑)
③浴衣の着付けレッスン
帯の結び方2種類・着物のたたみ方2種類
①②の考え方をもとに、着物と洋服の違いを説明しています。
例:洋服は立体裁断で縫製するため、体の大きさに合わせた袋に入るので、着るのが簡単
ただ、ヤドカリのように体の大きさに合わせて、袋を変える必要がある。
着物は最小限に直線で裁断し、四角いままの布を身に纏うため、纏うための技術が必要
ただ、巻き方次第で融通が利くため、体の大きさが違っても着られる。
①②③の順に論理的にお話しすることで、様々な内容が繋がって、普段の生活の中でさりげなく見ていたものすべてに意味や背景があることが理解できます。
その上で浴衣の着付けを習うことで着物を着ることが単なる手順・工程ではなく、工夫が詰まった衣服であることが理解していただけるように組み立てました。
一口に「日本文化」と言っても一般的な教科書はどこにでもあふれています。
それが普及しない(逆に廃れていってしまう)のは、今の自分の生活と乖離していると捉えてしまうと、改めて新しいものとして習うことで他人事になってしまうからだと思います。本当はすでに身近にあるものばかりですので、身近な所から意味付けをさせていただきました。
山本呉服店は着物を単なる高級衣服をして販売しているわけではありません。
日本の美しい四季折々の変化を表現している、高度な技術の詰まった、素敵な衣として世界に誇る文化の塊(表現物)だと考えています。
ですから、着物に携わる私達の知識を役立つ方のために使いたいと思っています。
それによって関心をもっていただけたら、将来的に着物好きなお客様に育ってもらいたいな、と思って文化行事を開催しています。
今後も文化講座をどんどん開催していこうと思っておりますのでご参加お待ちしております。
またご意見・リクエストがありましたらお気軽にご連絡いただけたら嬉しいです。
この活動が広がっていきますよう、ご協力・ご紹介等もいただけますよう、よろしくお願いいたします。
E-mail:c.yamamoto@itookashi.com
(文・山本千恵子)
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