「藍染め」と「蓼科」の関係は?☆ジャパンブルーは日本が誇る色
昨日は久しぶりのお休みでした。
仕事は一番大好きな趣味でもある私にとって定休日にはセミナーや勉強会、仕入れを入れてしまいます。
休みの楽しみは信州、蓼科へ八ヶ岳に会いに行くことです。
ゴツゴツした山並みと雄大に裾を引く山麓、澄んだ空気に包まれ元気になります。
「ほっと ひと息」
私には最高のパワースポットだと信じています。
蓼科でいつも行く産直売場で「藍の苗」を見つけました。
「染色もできます」のPOPに惹かれて衝動買いしてしまいました。
藍はインジゴという色素によって青から紺色が染まります。
今は「インジゴ」というとデニムを思い浮かべる方が多いかもしれません。
デニム(ジーンズ)の発祥はアメリカのゴールドラッシュ時代です。テントの生地で作業ズボンを作りガラガラヘビ対策にインジゴで染色したと言われています。
日本でも虫除け効果、消臭効果のほかに肌を守る紫外線防止効果が有るとされ、最近ではアトピー性皮膚炎への抗菌性も大いに注目されています。
藍はいつ頃から染められたの?
飛鳥時代に中国から持ち込まれた藍は近世になって全国で盛んにタデアイが栽培され藍染めがされていました。江戸時代には徳島、吉野川流域で質の良い藍を生産することができるようになり「阿波藍」は他の地域の3倍以上で取引され阿波藩の豪商は大いに繁栄しました。
その後明治時代になって安価な「インド藍」が輸入され、「化学合成藍」にも押されて手間のかかる日本の藍は今では数軒しか生産しなくなってしまいました。
どうやってタデの葉っぱが青い染料になるの?
藍は春に種をまいて夏に葉を刈り取り1センチ程に刻み扇風機で風を送って葉と茎に分け、乾燥させます。それを土間に積み上げ「藍師」と呼ばれる人が3〜4日毎に水をかけて「切り返し」(混ぜ合わせ)の作業をして発酵させます。水の量と温度は藍師の経験による重要な作業です。
約10日ほどで藍玉(すくも)という染料が出来上がります。
以前 藍玉を作っているところを見に行きましたが、蒸し蒸しとしていて何とも言えない臭いに逃げてその場を離れました。慣れれば感じなくなるのかもしれませんが二度ともう側へ近寄らないと決心したことだけ覚えています。
藍というと呉服屋の私たちは徳島を思い浮かべますが「蓼科」(たてしな)の名前こそが山藍ータデ由来で長く栽培されてきた証だったかもしれません。今さらながら納得し、ひょっとしたらそんな理由でも蓼科に魅かれるのかもしれないと思いました。
タデ藍の葉っぱを乾燥させてそのまま染めることもできます。
少ないけどもう少し大きく育てて一度、藍染をしてみようと思っています。
今は見ることもなくなってしまった伝統のモノや技術を伝えるのも私たち呉服屋の使命だと考えています。
タデ藍の葉っぱは池田店と北方店でしばらく育てますのでこの機会に見てみてくださいね。
藍で染めた布は「ジャパンブルー」と称されるほど日本が誇れる美しさです。
絹の縮緬地などに藍染めした小紋や訪問着、木綿に染めた久留米絣、絞りの浴衣などがあります。
夏には藍色の絞りの浴衣を涼しげに着る、なんて憧れちゃいますね。
きものやまもと北方店には絞りの浴衣が揃っています。
ご来店くださって手に取ってみてくださいね。試着することもできます。
更新日 | 2017/08/04
カテゴリ | 生まれた時から呉服屋、山本由紀子のつれづれ
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